Making paper 和紙作り

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和紙作りの魅力

小川町の地図高校時代を過ごした埼玉県小川町は関東一の和紙産地。
書と関わるようになって、紙の存在は文明を築いていく中で文字とともに大きな存在だと常々感じていた。
縁あって小川和紙の職人さんたちから、和紙を一から学ぶ機会に恵まれ、和紙と関わって15年以上になり、
現在、仲間と一緒に、楮を育てるところから紙漉きまで、関わっている。

和紙は書の存在とよく似て、文化の根源だと思っている。
自分の漉いた紙で書作品を作ることもあるが、それは小さなこと。
紙を作る工程のほとんどが農作業、そして単純な繰り返し。
汗をかくしかない偽りのない世界は、今の時代に失ってしまったものがぎっしり詰まっている。
それに携わる幸せ。

和紙作りの工程

日本を代表する楮紙を例にご紹介していきます。

芽かき

工程1 : 芽かき

楮(クワ科)の株は、5月、6月、7月、8月とぐんぐん成長する楮の高さは3mにも。
その間、一本の枝にするため、芽を摘む。株の根元に陽をいれるため、草刈りも。
楮の収穫

工程2 : 楮の収穫

栄養を取り終えた楮は秋から冬になると葉を落とす。お正月から春分までが収穫シーズン。
かしき

工程3 : かしき

収穫した楮を切りそろえ、釜に詰め、ボイラーで2時間ほど蒸す。
楮の皮剥ぎ

工程4 : 楮の皮剥ぎ

蒸しあがると、芯棒と皮が分離状態となり、すばやく原料となる皮剥ぎ作業。人出のいる仕事である。
原料となる皮の乾燥

工程5 : 原料となる皮の乾燥

乾燥昆布のように、使うまでは乾燥状態にしておく。

工程6 : 水に戻す

使う量が決まったら、水でもどす。季節によっても違うが、半日や一日、つける。
かず引き

工程7 : かず引き

表皮の繊維にならない茶色部分を刀で取り除く(なで皮)。
また、その下の青い部分も取り除く(白皮)。
煮熟

工程8 : 煮熟

かず引きをした楮を、ソーダ灰などを使って2時間ほど煮熟する。
水洗

工程9 : 水洗

楮をあげて、余熱がなくなるまで、または数日置いたあと、アルカリ分やアルカリで融けた汚れを水で流し続ける。

工程10 : ちり取り

水にある帯状の楮繊維のなかで、取り除きできなかったちり(ゴミ部分)をみつけて手で取り除く。
根気のいる仕事である。
打解

工程11 : 打解

少量なら手も可能だが、打解器で楮の繊維を打ち、繊維をほぐす。

工程12 : ビ―タ―

打解器でほぐしたまま紙料とすることも可能だが、より繊維をほぐすために水の中にいれなぎなたビ―タ―で数分撹拌する。
楮紙料の出来上がり

工程13 : 楮紙料の出来上がり

漉漕つくり

工程14漉漕つくり

水の張られた漉き槽の中に、仕上がった紙料をいれ、マンガ(馬鍬)で撹拌し、とろろ葵の根を叩いてでる粘液を交ぜて、更に竿切り棒で紙料とネリ(粘液)の一体になったミルクのような状態にする
紙漉き

工程15 : 紙漉き

簀と桁を使って、紙料をうすくすくい取り、前後左右に揺らし繊維をからめさせていく。

工程16 : 圧搾

積み重ねられた紙を、しばらく置いてから圧搾する。
乾燥後、完成!

工程17 : 乾燥後、完成!

刷毛を使って、一枚一枚ステンレス板や木板(天日干し)で水分をとる。そろえて、選別して終了。

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完成した和紙

完成した和紙  完成した和紙

私の作品加工例

私の作品加工例 私の作品加工例 私の作品加工例

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